
トンネルズ&トロールズ用ソロ・アドベンチャー
ふもと峠の戦い(後編)
作 Shawn Cloudfall
訳 雲ヶ谷 正運

はじめに
カザン歴1101年、神の歯連峰。
カザン帝国の死の軍団は再び南部への侵攻を開始した。
迎え撃つのはクノール、コーストを中心とした南部諸都市の連合軍である...。
帝国軍は難攻不落と言われたオーバーキル城に対し、城主の魔術師マリオナルシスを暗殺することで陥落させた。
圧倒的な大軍を投入して攻勢に出るシャング将軍率いる帝国軍の前に立ちはだかったのは、南部の騎士ストーンヘッド卿が率いるわずか100名の兵士たちだった。
ストーンヘッド卿の頼みで守備隊の隊長を引き受けた君の活躍もあって、南部軍は辛くも砦を守り救援を待った。
しかし、日和見な南部諸都市の有力者達は自らの保身のため裏で帝国と取引し、援軍が送られることはなかった。
もはや、君達の砦もこれまでかと思われた時、ストーンヘッド卿は君に新たな命令を下した。
オーバーキル城のテレポーテーション・ゲートを使い、3日以内にガルから援軍を連れてくるのだと...。
君は秘密の地下道を潜り抜け、オーバーキル城に潜入した。
ここは小さな部屋だ。
床には白い大理石の輪がある。
輪の中は赤、緑、白の光が変化しながら輝いている。
これがテレポーテション・ゲートだ。
君はここまで共に来た守備兵の若者を残してゲートの中に足を踏み込む。
「我を導け!」
ゲートの輝きが強くなり君は光に包まれる。
「隊長、ご武運を!」
守備兵の声が遠くなっていって、辺りの景色が変わっていく...。
再び君の感覚が正常に戻った。
潮のにおいがする。
君はいつのまにか砂浜に立っている。
足元の光の輪はだんだん薄くなって消えてしまった。
砂浜の先に大きな都市がある。
あれがガル市だろう。
君は3日の内に援軍を得て仲間たちの元へ戻らなくてはならない。
君はそちらへ歩き出した...。 ルール
このソロ・アドベンチャーは「ふもと峠の戦い(前編)」から続けて遊ぶためのものです。
このソロ・アドベンチャーを遊ぶにはトンネルズ&トロールズ完全版が必要です。
このソロ・アドベンチャーはプレイヤー・キャラクターの合計ヒットを120と設定しています。
ここから外れるキャラクターを使っても構いませんが、この数値から10外れる毎に敵の合計ヒットに1d6+6を増減して下さい。あるいは単純にMRを10増減しても構いません。
敵が複数である場合は上手く割り振って、とにかくバランスを調整して下さい。
戦闘による冒険点を得る際は文中にあるMRなどの他に、その10単位の増減を加えてください。
セービング・ロールは文中で基本レベルとある場合、あなたのキャラクターの能力値でダイスの出目が7の時に成功可能なレベルを意味します。
例えばある能力値が25の場合は25+7=32で3レベルまで成功できるので基本レベルは3レベルになります。
能力値が低すぎてダイスの出目が7では1レベルにもとどかない?残念ながら最低でも1レベルが必要です。
さらに、基本レベル+1とある場合は一つ上のレベルということになります。
せっかく高能力値のキャラクターなのに英雄的な行動に失敗するかもしれないとご不満に思うかもしれませんが、ゲームとして楽しめるようこのようなルールにします。
タレントによるボーナスやどこかで手に入れたセービング・ロールを有利にする魔法の品がある等の場合までは制限しませんので、ご自由に楽しんでください。
役割は戦士を想定していますが制限はありません。
魔法については、この冒険で使用する機会はありません。
種族は人間、エルフ、ドワーフ、ホビットを想定しています。あまり小さすぎる種族や人間社会に受け入れられないような怪物は使用するべきではありません。せいぜい”品の良い”半オークぐらいまでとしましょう。
魔法の武器、防具は持ち込んで構いませんが、特殊な効果の魔法の品、例えば、ドアのカギを開ける魔法の品や空を飛べる魔法の品は使用できません。
魔法の回復薬を持っているなら、好きな時に使って下さい。
タレントの適用の判断についてはあなたの裁量で処理をお願いします。
冒険に出る際は適切な装備を持って出るようにして下さい。ルールブックから装備をそろえると良いでしょう。
ワンダリング・モンスター表を参照するよう指示する場合があります。対象のページへのリンクはありますが、行った先に戻るリンクは無いので工夫してください。
ワンダリング・モンスターの強さはバランスを取っていないので先ほどの強さの調整は必要ありません。
そのかわり、強すぎるモンスターに出会ってしまったときは諦めてください。
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