今回はその耕作地からどれくらいの収穫が得られるのかを検討したいと思います。
今回も参考資料はこちらです。
一農家の収穫量はどれくらいあるの?
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一農家の収穫量はどれくらいあるの?
前回の記事では一農家の耕作地の面積を1ヴァーゲイト=24エーカー=9.6haとしました。
また、中世ヨーロッパに倣って三圃制を採用することにしていますので、このうち8エーカー=3.2haを春作物の畑とし、同じく8エーカーを冬作物の畑とし、残った8エーカーを休耕地とします。
春作物は大麦やオート麦(燕麦)など、冬作物は小麦などです。
ちなみに、大麦やオート麦はお粥にして食べるもので、農民の食事はこちらだそうです。小麦は商品として売るためのものです。
参考資料の第三章領主P86に以下の記述があります。
また、中世ヨーロッパに倣って三圃制を採用することにしていますので、このうち8エーカー=3.2haを春作物の畑とし、同じく8エーカーを冬作物の畑とし、残った8エーカーを休耕地とします。
春作物は大麦やオート麦(燕麦)など、冬作物は小麦などです。
ちなみに、大麦やオート麦はお粥にして食べるもので、農民の食事はこちらだそうです。小麦は商品として売るためのものです。
参考資料の第三章領主P86に以下の記述があります。
播いた種に対する収穫率は大麦、小麦が四倍、オート麦が二倍を少し上回る程度、豆類は四倍だった。全体としては三か三分の二倍で、『聖ロバートの規則』に書かれている三か三分の一倍よりは高率である。
また、同じくP86に小麦について以下の記述があります。
一エーカーの耕地には二分の一リング(約七〇リットル)を播く必要がある。
大麦、オート麦の播種量についてはP201にこうあります。
春の作物ー大麦、オート麦、豆類ーは冬の作物より多めに播くのが普通で、一エーカーにつき四ブッシェル(約一四〇リットル)が目安だった。
これで材料がそろいました。
まず春作物は8エーカーの畑に1エーカー当たり140リットルの種を播いて、その3.7倍の収穫があります。
まず春作物は8エーカーの畑に1エーカー当たり140リットルの種を播いて、その3.7倍の収穫があります。
8×140×(3.7-1)=3,024リットル
(収穫率は3.7倍と書きましたが、ここから翌年播く種を引いて収穫量としています。)
同じく冬作物も8エーカーの畑に1エーカー当たり70リットルの種を播いて、その3.7倍の収穫があります。
8×70×(3.7-1)=1,512リットル
ここで収穫を最終的に重量点に落とし込みたいので、体積(リットル)からkgに変換します。
ネットでも小麦粉ではなく粒の状態の比重を探すのは難しいですが、米の比重が約1.4くらいだそうなので、どの種類の麦も同じ1.4とします。
春作物の収穫量は3,024リットル×1.4÷0.045=94,080重量点になります。
冬作物の収穫量はその半分なので47,040重量点になります。
家畜からも食料生産
その他に家畜を飼っているのでそこからの食料生産量もあります。
参考資料の第七章働く農村P194にはエルトン村のことではないですが、以下の記述があります。
ネットでも小麦粉ではなく粒の状態の比重を探すのは難しいですが、米の比重が約1.4くらいだそうなので、どの種類の麦も同じ1.4とします。
春作物の収穫量は3,024リットル×1.4÷0.045=94,080重量点になります。
冬作物の収穫量はその半分なので47,040重量点になります。
家畜からも食料生産
その他に家畜を飼っているのでそこからの食料生産量もあります。
参考資料の第七章働く農村P194にはエルトン村のことではないですが、以下の記述があります。
ヴァーゲート保有者には労役用雄牛四頭、乳牛二頭、馬一頭、豚三匹、羊十二頭を食べさせるだけの広さの牧草地が与えられている。この数は、一ヴァーゲート(約九・六ヘクタール)の耕地を肥沃に保つために必要として産出されたものだ。
このことから、あなたの領民たちも同じ数の家畜を飼っていることとします。
このうち、雄牛四頭と馬一頭は労役用なので脇に置いておいておきます。
このうち、雄牛四頭と馬一頭は労役用なので脇に置いておいておきます。
乳牛については参考資料P216に以下の記述があります。
乳牛から採れる年に一二〇~一五〇ガロンの(約五八〇~六八〇リットル)の牛乳は、
つまり平均630リットルの牛乳が採れて、2頭いるので合計1,260リットルです。
水と同じ比重1で計算して重量点に換算すると28,000重量点です。
水と同じ比重1で計算して重量点に換算すると28,000重量点です。
羊についてはP87に以下の記述があります。
羊の死亡率は平均一八パーセントだった。
他にも、P214に以下の記述があります。
中世の羊毛は羊一頭から一~二・五ポンド(約四五〇グラム~一キロ)とれ、現代の平均である四・五ポンド(約二キロ)と比べるとだいぶ量が少なかった。
羊が一回の出産で何頭の仔羊を産むかは書いてありませんが、ネットで調べると1頭~2頭だそうです。
一軒の家で飼っている12頭のうち半数を仔羊とし、残りの6頭のうち1頭を雄として5頭を雌と考えます。
5頭が平均1.5頭の仔羊を産んで死亡率が18%なので、5×1.5×(1-0.18)=6頭が1年で増える計算になります。
12頭の群れの半数の6頭を仔羊とみたのと丁度合いますね。
その他に12頭の羊からは12×0.725=8.7キロの羊毛が採れます。
重量点に換算すると193重量点です。
一軒の家で飼っている12頭のうち半数を仔羊とし、残りの6頭のうち1頭を雄として5頭を雌と考えます。
5頭が平均1.5頭の仔羊を産んで死亡率が18%なので、5×1.5×(1-0.18)=6頭が1年で増える計算になります。
12頭の群れの半数の6頭を仔羊とみたのと丁度合いますね。
その他に12頭の羊からは12×0.725=8.7キロの羊毛が採れます。
重量点に換算すると193重量点です。
豚についてはP214に以下の記述があります。
雌豚は年に二回出産、『家政の書』によれば一回で七匹ほどを産んだ。
一軒の農家が飼っている豚3匹には雄豚も子豚もいるでしょうから、雌豚は1匹だけとします。
それが年に2回7匹ずつ子豚を産むと14匹です。
死亡率は書いてありませんが羊と同じ18%とします。
それが年に2回7匹ずつ子豚を産むと14匹です。
死亡率は書いてありませんが羊と同じ18%とします。
2×7×(1-0.18)=11匹
豚はわずか3匹から翌年にこんなに増えるものなのでしょうか?
もし詳しい方がこのブログをご覧になっていたら教えて下さい。
もし詳しい方がこのブログをご覧になっていたら教えて下さい。
結果
結果が出ました。
一軒の農家の1年間の収穫量は次の通りです。
一軒の農家の1年間の収穫量は次の通りです。
大麦(またはオート麦)3,024リットル(94,080重量点)
小麦1,512リットル(47,040重量点)
牛乳1,260リットル(28,000重量点)
羊6頭
羊毛8.7キロ(193重量点)
豚11匹
小麦1,512リットル(47,040重量点)
牛乳1,260リットル(28,000重量点)
羊6頭
羊毛8.7キロ(193重量点)
豚11匹
その他にもニワトリやガチョウを飼っていたり、リンゴの木が植えてあったり、川で魚を捕まえたり、野草や木の実を集めたりするかもしれませんが、細かい事はここでは無視します。
次回はここから一家の収入を計算し、さらにはあなたの領地の税収を計算したいと思います。
次回はここから一家の収入を計算し、さらにはあなたの領地の税収を計算したいと思います。
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