前回はあなたの領民が生産する作物の総量を計算しました。
今回はそれが金額にしていくらになるか、また税収はどれくらいになるかについて考えます。
農家一軒当たりの一年間の収穫量は次のようになりました。
大麦(またはオート麦)3,024リットル(94,080重量点)
小麦1,512リットル(47,040重量点)
牛乳1,260リットル(28,000重量点)
羊6頭
羊毛8.7キロ(193重量点)
豚11匹
税について
あなたの領民から取り立てる税をいくらにするかは領主であるあなたの裁量ですが、西洋ではローマ帝国や教会に収める十分の一税が有名ですね。
中世では領主に収める税の他に教会にも十分の一税を収めていたようですが、T&Tの世界ではキリスト教に当たるような広く世界に根差した宗教組織はありません。かといって、全く宗教が無いわけでもないようですので、それぞれの地方によるのでしょう。
昔の日本だと「四公六民」といいいますね。シミュレーションゲームでもそのくらいに設定することが多いでしょうか?
50%を超えると反乱が起きそうですね。
20%や30%は領民思いのやさしい領主という感じでしょうか?
今回は40%としましょう。
その他に中世の西洋では労働による税もありました。これについてはまた後で出てきます。
あなたの領内には17世帯の領民がいますので、税収は先に述べた1軒当たりの収穫高の40%×17世帯となります。
大麦(またはオート麦)20,563リットル(639,738重量点)
小麦10,282リットル(319,884重量点)
牛乳8,568リットル(190,400重量点)
羊41頭
羊毛59.2キロ(1,316重量点)
豚75匹
これがあなたの領地からの税収になります。
農民はこれで暮らしていけるの?
税を収めた農民に残された物はこうなります。
大麦(またはオート麦)1,814リットル(56,436重量点)
小麦907リットル(28,218重量点)
牛乳756リットル(16,800重量点)
羊4頭
羊毛5.2キロ(122重量点)
豚7匹
これらから1軒の農家6人が1年間で食べる分を引きましょう。
人間1人が1日に必要とする食料は以前に食料についての記事で考察した数字があります。
今回は完全版ルールブックの食料1日当たり15重量点という値を使います。
15重量点/1日×365日×6人=32,850重量点
これで1家の1年分の食料がでました。本当は穀物や脂質、タンパク質、野菜などバランスを考えるべきかもしれませんが、全部大麦(またはオート麦)から引きます。
その他の栄養素はここでは計算に入れなかった庭で飼っているニワトリやアヒル、川で獲った魚や、家庭菜園の野菜、食べられる野草や木の実などから摂っていることとしましょう。
家族が食べる分を引いた後に残ったのはこれだけです。
大麦(またはオート麦)758リットル(23,586重量点)
小麦907リットル(28,218重量点)
牛乳756リットル(16,800重量点)
羊4頭
羊毛5.2キロ(122重量点)
豚7匹
これらを市場で換金します。
完全版のルールブックは食料についてあまり詳しく書いてないので、主に7版を使います。
オートムギ 30重量点 2sp
牛乳 3重量点 0.5sp
羊(肉として) 20重量点 5sp
豚(塩漬けの豚) 30重量点 5sp
あと分からないのは小麦と羊毛の価格です。
小麦はイギリス・ウェールズの歴史ーカムログを参考にさせてもらい、小麦が2670円/kgから計算すると、オート麦と同じ30重量点で36spとなります。
オート麦の18倍の価格になりこれでいいのかちょっと疑問ですが、小麦は庶民には手が出ない贅沢な食べ物ということでこのまま採用します。
羊毛についてはいつもの参考資料
リンク
の中から、P92より羊毛の価格について、価格は一ストーン(二四ポンド=約十三キロ)が四~五シリングと、非常に安定していた。とあるので、ここから羊毛は13kg=289重量点が4.5シリング=54ペンス=54spとします。
あとは羊と豚それぞれの肉の量ですが、色々検索した結果、マトン1頭分の枝肉は20kgくらいのようです。つまり444重量点ですね。
豚は現代の豚だと70kgくらいはありそうですが、昔の豚は現代の食肉用に品種改良された豚と違ってイノシシに近いものだったと思うので、50kgくらいにしておきましょう。つまり1,111重量点ですね。
これで、農家1軒の1年の稼ぎが算出できます。
大麦(またはオート麦) 23,586重量点 1,572sp
小麦 28,218重量点 33,862sp
牛乳 16,800重量点 2,800sp
羊4頭 1,776重量点 444sp
羊毛 122重量点 23sp
豚7匹 7,777重量点 1,296sp
合計 39,997sp
39,997spを日本円に換算するとほぼ400万円ですね。
税も食費も引いた後にこれなら暮らしていけるというか、ほとんど自給自足と思われるこの世界で何に使うのでしょうか?
あちこちからバラバラに数値を参照したのでどこかバランスが悪かったのでしょうか?
それとも1ヴァーゲートを所有する農家はまあまあ裕福ということでしょうか?
まあ、いい服は着られそうですね。
ゲーム・オブ・スローンズの世界のような搾取されている農民というよりは、ホビット庄のホビット達のような明るい田舎の人々というイメージが出来そうです。
また、牛乳はそのまま売るという形で計算しましたが、保存ができるチーズやバターにするのが本当だったかもしれません。
価格も最終消費者が購入する値段で計算しましたが、仲買人に売るとこの半値くらいになるのかもしれませんね。
領民の生活はこれくらいにしておいて、次回からはあなたの城の内容について考えたいと思います。
良い冒険を!
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