work-g519a01460_1280

みなさん、お待たせしました。ついにこの企画が始まりました。

以前、「3DプリンターでTRPG用ミニチュアを作る」の記事を書いたのは、もう2年も前のことです。
その時から、いつかT&Tのキャラクターを作るつもりではいたのですが、こんなに月日が流れてしまいました。
それが最近、Twitterにトンネルズ&トロールズ・ミニチュア界のニュースター、ケイタさんが彗星のごとく現れ、その技術力と独自の発想でT&Tジオラマを作り出すというものすごい出来事がありました。
それに衝撃を受けた私は、かつて自らに課した使命を思い出しました。
今回の記事は、私が3Dデータから作成してミニチュアをプリントし、塗装まで完成させるという荒業に挑戦した記録です。

Huge Discounts on your Favorite RPGs @ DriveThruRPG.com

3Dモデルの作成

いつもの事ですが、なるべくお金を使わずに済ませたい私は、フリーソフトでなんとかしたいと思いました。
そこで選んだのはメタセコイア4という3Dモデリングソフトです。
無料でダウンロードできます。
ライセンス購入をすると全機能が使えますが、無料で試用状態のままでも今回の目的に使えそうなので、そのまま使うことにします。
この記事の目的はメタセコイアの使い方紹介ではないので、詳しくは説明しませんが、がんばってインストールしてください。
1

メタセコイアのヘルプの中にいくつかのチュートリアルがあります。
その中の「手」「椅子」「クマ」をやるとかなりメタセコイアを使いこなせるようになります。
私の場合、以前にも多少このチュートリアルをやってみたことがありましたが、今回ほとんど何も覚えていなかった状態から、1日に1~2時間ずつ練習してこの3つのチュートリアルをこなし、3、4日くらいでまあまあ何とかなりそうかなという感じになりました。
それくらい簡単なので、みなさんも挑戦してみてください。

で、この記事の表題に書いてしまいましたが、今回作りたいのはこれです。
P5050006

岩悪魔のシックスパックです。
このブログを読んでくださっている方の中には、もう「Eisenwerk」の「Six pack the Rock Demon」を持っていたでしょ。と思う方もいるかもしれませんが(幻のT&Tメタルフィギュア その2参照)、シックスパックは服を着ていないので作りやすいと考え、これにしました。

製作過程の写真をほとんど撮っていないので、ここから分かりづらくなるかもしれませんが、大まかに製作過程を説明します。
樽

まずは「魔法のビア樽」から作りました。
これは椅子のチュートリアルを済ませていれば簡単に作れます。

頭

次に頭を作りました。
これはクマのチュートリアルの頭と要領は同じです。
球を半分にしてミラーリングしてから形を整えて作りました。
眼球、瞳、牙は別のオブジェクトとして作っています。

ボディ

次に体を作りました。
クマのチュートリアルでは、一体成型で体を作っていますが、このシックスパックの体を一体型で作成するのは難しいです。
そこでまずは、胴体、腕、手、脚、足とオブジェクトを分けて作りました。
胴は直方体をベースにして変形させていったものです。
手はそのまま手のチュートリアルと同じです。
指の本数と長い爪が違うだけです。
足も同じ要領で作れます。
腕と脚は円柱をベースに、太さを拡大して腕や脚っぽくしたものです。
真っすぐな腕や脚を作ってから、椅子のチュートリアルにあった曲げの操作でポーズを作っています。
手の指や足も同様にあとから曲げています。
FZO2nBJagAEn3hW
これは製作途中の画像ですが、このように胴や腕を別に作っており、手や足などはまだありません。
肩の部分をみると筋が入っています。
このままだと、3Dプリントした時にみっともないので、形が全てできてから、一体化させました。
その方法は、まず重なり合う不要な部分の面を削除してから、オブジェクトを合体させ、接続部分に面を作成して埋めていって、最後に形を整えるという作業をしました。
daiza
ここまでくると、短剣や台座の作成はもう簡単です。
6

全体を表示しました。
自分のセンスの無さを痛感しますが、今はこれでもベストを尽くしました。
しかし、今綺麗に見えている画像はメタセコイアがそう見せているだけで、このまま3Dプリントするとカクカクの初期のバーチャファイターみたいなフィギュアになってしまいます。
でも、精巧でなめらかな3Dモデルなんて作れないよとご心配のあなた、問題ありません。
7
メタセコイアは自動で曲面を作ってなめらかなモデルにしてくれます。
と、いってもあまり細かくしすぎると、データが重くなって後で困りましたので、各オブジェクトの設定をOpenSubdivにチェックを入れて分割数を2にします。
私は何のことか全く理解していませんが、今回はこれで最後までうまくいきました。
9
曲面を作る前はこれくらいの粗さだったものが、
10
これだけ複雑になりました。
なお、このとき曲面・ミラーのフリーズという操作をするのですが、これだけ細かくなってしまうと、後から直したい個所があっても直せなくなりますから、曲面にする前のデータを作業用として別に保存しておくとよいと思います。

これでシックスパックのモデルが完成しました。
私はこれに1日当たり1時間ほどの作業で1週間ほどかかりました。

Best Selling RPGs - Available Now @ DriveThruRPG.com

プリント用データの作成

最終目的は28mm規格のTRPG用ミニチュアを作成することです。
シックスパックは小柄なので、私は全高20mmくらいのものを作るつもりでいました。
そこで、よく分からなかったのですが、メタセコイアのモデルの全高を20くらいになるように拡大(縮小)しました。
しかし、結論から言うと、スライサーソフトに何も表示されませんでした。
どうも、メタセコイアで20に合わせても20mmで出力されるわけではないようです。
試行錯誤の結果、メタセコイアで100倍の2000くらいに全高を合わせておくとスライサーソフトで20mmくらいに表示されました。(ピッタリではない)

ではここから、3Dプリントできるモデル(私のプリンターはstlデータのみ)を作る方法をお話しします。
メタセコイアを試用版で使ったので保存できるデータはmqoデータのみです。
そこでどうやってmqoデータを変換するかネットで調べたところ、このサイトにたどり着きました。
この情報を元に3DASEを使用してmqoデータをobjデータに変換しました。
しかし、私の場合はメタセコイア4のmqoデータでは3DASEが読み込み失敗を繰り返し、ver.2.2互換形式に落としたmqoデータで上手くいきました。

これでobjデータが手に入りました。しかし私が欲しいのはstlデータです。
これはネットで検索すると変換してくれるサイトがいくつかあります。
私はそれを利用してstlデータを作成しました。

11

出来たstlデータがこれです。
ここまでくると、もうこの企画の成功を確信できますよね!

Zombies! - Available Now @ DriveThruRPG.com

3Dプリント

3Dプリントは以前の記事、「3DプリンターでTRPG用ミニチュアを作る」と同様の機材と手順で進めたいと思います。

私の3Dプリンターに付属のスライサーソフトでstlデータを読み込みます。
1
なぜか倒れていますが、心配ご無用!
2

回転させて起こします。
X軸を90度回転させています。
3
次に大きさを調整します。
Z軸が20mmになるよう調整します。
4
調整が終わったデータを印刷用データに変換してサポート材を付けたら、あとは印刷するだけです。
DSC_0062
印刷中.....。
DSC_0065
印刷が完了しました。
DSC_0066
サポート材などを切り離しました。
白いので分かりにくいのですが、やはり私の3Dプリンターの性能では細部の表現がうまく出なかった箇所がありますが、まあ、塗装をしてみましょう。

Savage Worlds: Fast, Furious, and Fun! - Available Now @ DriveThruRPG.com

塗装

塗装には、以前の記事、「冒険者の英雄 メタルフィギュア」で紹介した工作用アクリル絵の具を使用します。
なお、以前に塗ると宣言したゴブリンはいまだに完成しておりません。今回のシックスパックは何としても完成に漕ぎ着けたいところです。
ゴブリンの時は素人のくせに影を表現しようとしたりして、途中で嫌になってしまいましたが、今回は完成することを第一にベタ塗りで攻めます。
ところで、今頃になってですが、私が知る中で唯一のカラーのシックスパックは「Sword for Hire」の表紙のこれです。
12

したがって、公式のシックスパックはブラウンということになります。
しかし、魔法のビア樽とブラウンが重なって映えないので、今回グレーにしています。
決してキン肉マンのイワオではないので、注意してください。



完成!
そして、完成したものがこれです。ご覧ください!!
P1010002
P1010003
P1010004
P1010005

いかがでしょうか?
自分としては、初めて作った作品なので気に入っています。

皆さんもミニチュア作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?

最後に、今回作ったミニチュアは一応、版権ものフィギュアということになるので、公開はしません。
代わりと言ってはなんですが、ひょうたんの酒徳利と日本刀を持ったチョンマゲの岩悪魔「大吟醸」を作成しましたので、これを公開することにします。(需要があるかは分かりませんが)
大吟醸

P1010007


BOOTHの私の店に置いておくので、興味のある方はご覧になってください。

良い冒険を!