M1
7日目。
ストーンヘッド卿の指示により、見張りの当直に付いている者以外の全員が食堂に集められた。
兵士たちの間では、いよいよ援軍の到着の知らせが来たのだという期待が広がっていた。
だが、ストーンヘッド卿の表情は硬い。
「諸君、コーストからの連絡が来た。援軍は来ない。」
兵士たちの間にざわめきが起こった。
「静かに。それどころか直ちに投降し砦を解放せよとの命令だ。」
「なぜです?評議会は何を考えているのですか?」
兵士の一人が言った。
「評議会の連中は元々このつもりだったのだ。ほど良いところで和睦する。やつらにとって、この戦争は帝国への朝貢金を値切る手段でしかなかった。すでに奴らは帝国と通じているのだ。今日、〈死の軍団〉が静かなのはそのせいだ。シャングも我々が投降するのを待っているのだ。」
「では、戦争は終わりですか?明日からは平和が戻るのですか?」
「いいや、そうはならん。上の連中にとっては戦争はそれで終わりだが、〈死の軍団〉は下級の兵士どもにも褒賞をやらねばならん。やつらは南部に侵入し小規模の町や村を襲うだろう。
そして、略奪や村人を捕まえて奴隷にしたり、ウルクの餌にされるものも出るだろう。それでお引き取り願えるなら、南部の大都市の支配者層には痛くも痒くも無いということだ。」
「それでは我々の戦いは何だったのです?」
「死んでいった仲間たちも浮かばれません!」
「そうだ、許せません!」
兵士たちが口々に言う。
ストーンヘッド卿は手を振って皆を静まらせると言った。
「そうだ、許せんな。わしはこの戦いを続行するつもりだ。だが、これは明らかな命令違反だ。この先勝っても負けてもろくな終わり方にはならんだろう。
ついてきたい者だけが残れ。そうでない者は故郷に帰れるといい、そこにお前たちの大事な守らなくてはならん人々が待っているはずだ。」
「城主様、私は残って戦います!」
一人が立ち上がった。
それを合図に我も我もと立ち上がった。
君は?
君も残って戦うなら、M4へ。
命があるうちにこの場を去るなら、M3へ。



M2
2
ストーンヘッド卿が地図を広げて説明する。
「このルールフ大陸の西部で最も大きな勢力はカザン市のカザン帝国だ。
だが、それに対抗できるほどの勢力が他に2つある。
一つは、クノール=コースト経済圏を中心とした南部諸都市だ。
そして、もう一つがフォロン島にある都市ガルだ。」
「城主様、まさかガルの海賊共に援軍を求めるのですか?」
「ガルはつい最近帝国と戦争をして負けたばかりではないですか。」
「ガルは我々にとっても敵です。
ガルの〈王子〉配下の海賊とクノールの〈海賊王〉配下の海賊は長年制海権を争う宿敵です。」
「失礼ですが、それにガルまで何リーグあるかお考えですか?
たとえ今すぐ使者を送ってすぐに援軍を出してくれたとしても1か月以上かかります。
我々はそれまで持ちこたえられません。」
兵士たちがざわめいた。
ストーンヘッド卿はニヤリと笑って先を続ける。
「ガルは先のカザン=レンジャー戦争で痛手を負い、軍を再編成しているところだろう。
だからこそ、帝国に強い恨みがあるはずだ。
それに我々はもう南部諸都市の正規軍ではないぞ。そうだろう?ガルと手を結ぶことに障害は無い。
そして、最も問題と思うかもしれん距離のことだがな、あるのだ、移動手段がな。
お前達は知らんだろうが、オーバーキル城にはマリオナルシス様が作ったテレポーテーション・ゲートがある。
あれを使えばガルへ一瞬で行けるし、援軍も一瞬でこちらに来れるのだ!」
兵士の一人が質問する。
「しかし、オーバーキル城は敵に占領されています。
この砦も敵に包囲されています。
行くのは無理なのでは?」
「この大断崖と呼ばれる山々の地下に地下道があるという噂は本当だ。
地下道を通って直接オーバーキル城へ行く道がある。地下に巣くう怪物はいるかもしれんがな。
そして、テレポーテーション・ゲートのある部屋は悪魔の扉に守られている。
上手くいけば今も敵はあの部屋には手を付けていないかもしれん。
マリオナルシス様はテレポーテーションゲートの合言葉と悪魔の扉を通るための合言葉をほんの数人の腹心にしか教えなかった。
もちろん、わしは知っている。
聞いての通り、この任務はかなり危険なものになる。
そこでこの砦の中で一番腕が立つ者、そうお前だ。
○○(君の名前)よ。お前に任せるぞ。
それにもう一人必要だ。テレポーテーション・ゲートはオーバーキル城からしか操作できないため、残って援軍を迎えるためのゲートを開いてもらわなければならん。
志願する者は?」
「はい、私が行きます。」
手を上げたのは以前に君に水をくれたあの若い守備兵だ。
「よし、いいだろう。」
「ありがとうございます。隊長と任務に同行させていただけるのは光栄であります。」
やる気は十分なようだ。
(彼は一般の兵士なのでMRは20だ。今後彼と一緒に戦うことがあるかもしれないが、ダメージは君が多く引き受けるようにして彼を先に死なせないよう注意すること。)
最後にストーンヘッド卿が言う。
「では、すぐに出発の支度をしてくれ。
準備が出来たら地下の食料庫に来い。」
装備は武器、防具を含めてルールブックにある普通の品物(魔法の品物や特殊な品を除く)から何でも好きに選んでよい。
君達はすぐに装備を整えて、地下の食料庫に集まった。
「大事なことを伝えるぞ。
これは機密事項であるので、メモなどしてはならん。ここで記憶していけ。
地下道に入ったら、道が分岐するごとに、右・左・左・右・左だ。
間違うなよ。間違えば二度と帰ってこれなくなるぞ。
それから、オーバーキル城に入ったら主通路を奥へ進んで、四つ辻に来たらそこを左へ曲がれ、その奥に悪魔の扉がある。
悪魔の扉を通る合言葉は「オープン・サラミ」だ。
その扉の中の部屋がテレポーテーション・ゲートだ。合言葉を知らない者が使うと火山やジャングルに飛ばされる。
合言葉を使えば好きなところへいけるのだ。
合言葉は「我を導け!」だ。
そしてお前はその部屋に残り、3日後同じ場所に再びゲートを開けるのだぞ。
無事ガルにたどり着けたら、ビオロム殿という魔術師を訪ねるといいだろう。
ガルの評議会の重鎮と呼ばれるお方だ。
マリオナルシス様とは同じ師の元で学んだ兄弟子にあたるお方だ。力になってくれるだろう。
ビオロム殿に力添えを頼んでガルの支配者〈王子〉に会い、援軍を要請するのだ。
わしの書状も預けるが、その先の事はお前に任せる。頼んだぞ。」
地下の食料庫の壁を押すと隠し扉が開いた。その先は地下道だ。
明かりを灯して、君達は地下道を進んでいく。O1へ。



M3
ハァー?
君はどうしようもない臆病者だな?
もう一回チャンスをやるから、M1へ戻って判断をし直せ。
どうしても逃げたいなら、君は臆病者に相応しく魅力度が永遠に3点になる。
その上でこのソロ・アドベンチャーをここまで来たことに対する冒険点はやらん。
どこにでも行くといい。
さようなら。



M4
結局、全員が残った。
全員で涙を流しながら、再度団結を誓い合った。
そして、そのまま作戦会議が始まった。
援軍が来ないと分かった今、このまま籠城戦を続けていてもいずれは敗けるのは明らかだ。
誰からも良い案は出ない。
食堂は重苦しい雰囲気に包まれた。
「わしに考えがある。」
兵士たちの様子を見ていたストーンヘッド卿が口を開いた。
「わずかな可能性だが、味方をしてくれるかもしれない都市がある。だが、危険が多い上、成功する見込みはごく僅かだ。」
君はどう思うか?
ストーンヘッド卿の言う可能性に賭けてみるなら、M2へ。
それよりも、イチかバチか敵陣に忍び込み、敵将シャングの首を獲るというなら、N1へ。