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前回まではあなたの領地に住む領民たちの生産力を計算し、あなたの税収を計算しました。
今回からはあなたの城の中について考えます。
 
まず、あなたの領地を考えるうえで発端となった、社会思想社版のハイパートンネルズ&トロールズのP66にある記述を振り返ってみましょう。

小さな城(使用人50人程度)価格金10万
領地10キロ四方と領民100人を含みます。


注目していただきたいのは「使用人50人程度」という箇所です。
現実に使用人が50人もいる邸宅に住んでいるとしたら、大金持ち中の大金持ち、アラブの石油王クラスですね。
あと、領地経営と言えば大規模戦闘もしてみたいですから、全員が召使いではなくて配下の戦士たちもそろえたいところです。
その他にもあなたの領地や城を運営していくためには頼りになる副官や武器職人、おかかえの学者や魔術師なんかも欲しいところです。

でも、よく考えると、あなたは領地の広さだけはまあまあありますが、領民はたったの100人、17軒の農家だけしかない領主なのです。
そんな贅沢が許されるのでしょうか?

はっきり言うと、あなたは国や都市レベルではなく、村、それも廃村スレスレの小村の領主でしかありません。50人の使用人が仕えるお城での優雅な生活はあきらめて下さい。

ここはバッサリと50人のうち36人はあなたの荘園(直営農地)の小作人ということにしましょう。

36人ですから、領民と同じ様に一家族平均6人とすると6家族になります。

あなたの領民の農民達と違い、これらの小作人達はあなたから賃金をもらってあなたの畑で作物を栽培します。収穫は全てあなたの物です。しかし、あなたは彼らの食料をはじめ、住む場所や使う農機具までそろえてあげなくてはいけません。
あなたの領土はまだまだ手付かずの広大な土地があるので、これまでの記事での農民と同じ様に1ヴァーゲート、すなわち24エーカーの農地を使うものとしましょう。
彼らは元々小作人の生まれなのかもしれませんし、または他の暴虐な領主の元からほとんど何も持たずに逃げ出して、あなたの領土に来たのかもしれません。他には農家の次男以降に生まれて、継ぐ土地が無く、しかし生家にいつまでも居るわけにいかず小作人になったなども考えられます。
彼らは貯めたお金で、いずれあなたから土地の権利を買い、独立した農民になるのが夢です。





さて、使用人の残り14人をどうしましょうか?
一例として私が考えたものを示します。

・家令
 執事とも言います。あなたの最も頼りになる部下であり。あなたの他の使用人全員を監督する立場でもあります。あなたがまだ冒険者を引退していないのであれば、あなたが留守の間は城代としてあなたの領地を守ります。例を挙げると規模は違いますが、フランク王国メロヴィング朝の宮宰カロリング家のピピンとか、日本だと足利尊氏の執事高師直などです。ゲーム・オブ・スローンズなら王の手ですね。ヤバい、例を出せば出すほどそのうち裏切られそう。今回の私の設定では、四十がらみの男性で4レベルの戦士です。

・従者
 あなたに付き従い、身の回りの世話もする見習いの戦士です。今回の私の設定では家令の息子です。

・厩番
 城の馬の世話をするのが仕事です。「イヴォワール城の虜」にもいましたね。2レベルの市民の老人です。

・学者
 領主であるあなたの祐筆であり、行政、裁判の記録、帳簿なども行います。1レベルの魔術師であり、魔術師組合からあなたの要請により派遣されてきました。カザン王立魔術学院卒です。
この学校は今適当に名付けました。献金さえすれば誰でも入学できる金持ちの子弟が多い魔術学校という設定です。

・城内差配人
 城内の召使(料理人や女中など)を監督する立場です。3レベルの市民です。今回の私の設定では家令の妻です。

・料理頭
 文字通り料理人の頭です。中年男性で1レベルの市民です。

・料理人
 料理頭の下で料理をします。今回の設定では料理頭の妻です。1レベルの市民です。

・女中頭
 女中の頭です。今回の設定では荘園差配人の妻です。1レベルの市民です。

・女中
 女中です。今期の設定では家令の娘です。1レベルの市民です。

・荘園差配人
 小作人の監督とあなたの荘園(直営農地)の管理、領民の労働奉仕の徴収を行います。領民からの徴収も彼が行い、領民の司法の責任者でもあります。つまり、あなたの領地の城の外のことは彼が責任者です。今回の設定では30代の男性で2レベルの戦士です。

・従僕
 領民の若者をあなたが召し抱えました。城の雑用係です。少々頭が弱いですが働き者です。

・子供 2人
 料理人の息子と荘園差配人の娘です。共に0レベルの市民です。

・食客
 あなたの客として城に滞在している人です。
 吟遊詩人、遍歴の騎士、傭兵、旅の商人、巡礼者、放浪の魔術師(ガンダルフみたいな)、旅芸人、鍛冶屋、建築家など、なんでもいいです。

以上で14名の枠が埋まりました。
つまり、あなたの領地と城は家令、荘園差配人、料理人頭の3家によってほぼ運営されています。小さな城ですからね。

軍隊は作れませんでしたね。
戦力となるのはあなたの他に、家令、従者、荘園差配人の3人です。その他には使えなさそうな魔術師が1人です。危急の際は領民や小作人の中から戦えそうな者を集めるしかありません。

もっと余裕があれば、衛兵、武具職人、武術師範、犬匠、鷹匠、森番、司祭、領主の愛妾!など加えたい人材はありますが、それはあなたの領地がもっと豊かになるまで取っておきましょう。

いかがでしたでしょうか?
次回はあなたの領地からの収支をまとめたいと思います。

良い冒険を!

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