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T&Tアドベンチャーシリーズ3 カザンの闘技場です。
表題作と「デストラップ」、それとシナリオ「トロールストーンの洞窟」が収録されています。

掲載作品紹介

それでは各掲載作品を紹介しましょう。

デストラップ
かつての社会思想社版では本がボロボロになるくらい遊びました。
まえがきを読むとこの作品は「バッファロー・キャッスル」を書いたリック・ルーミスに続いて、ケン・セント・アンドレが最初に書いたソロ・アドベンチャーのようです。
最初からこの作品が出来るとはケンはまさに天才ですね。
通常のゲームブックではありえない構造をしています。
通常のゲームブックのダンジョンではイベントが起こる部屋を通路でつないで移動するようになっています。
しかし、通路を移動して右へ行くか左へ行くかとかはどちらかというと退屈です。
(マッピングが楽しいことももちろんありますが。)
それに対してこの作品ではケンが考えた16個のシチュエーションに直接飛び込む構造をしています。
まさに楽しいところだけが凝縮された作品です。
大成功した証拠としてこの作品は後に「鏡の国のダンジョン」をはじめ模倣作品をいくつか生みました。
トンネルズ&トロールズのソロ・アドベンチャーの中でも最高峰の一つです。



カザンの闘技場
このブログを始める時のごあいさつにも書きましたが、私が最初にトンネルズ&トロールズに触れた作品です。
この作品もゲームブックとしては異様な構造を持っています。
ダイスを振って出た目のモンスターと戦うだけで、ほとんどワンダリング・モンスター表と変わりません。
多少戦いに変化を生むために、パラグラフを設けて飛び道具や魔法やその他の戦術をとれるように工夫してあるだけです。
戦いに勝てば賞金や魔法の品がもらえるかもしれません。
たったこれだけのことですが、当時小学生高学年だった私はこの作品に夢中になりました。
たったこれだけの構造なのに、この作品は実に様々なドラマを生むのです。
作った時はすぐに負けるだろうと思っていたキャラクターが1回戦で大番狂わせを演じ強力な魔法の武器を手に入れ、そのまま快進撃を続けてチャンピオンになったりします。
同時期に買っていたファインティング・ファンタジーシリーズのゲームブックは繰り返したとしても2~3回でしたが、私の社会思想社版のカザンの闘技場はボロボロになりすぎてセロハンテープで表紙が補強されています。
昔は今のように家庭のプリンターでキャラクターシートをコピーすることが出来なかったので、私の世代の人は皆、白紙さえあれば5版のキャラクターシートを空で書けるのではないでしょうか?
40代のいい年をしたおっさんが自慢することではないですが、カザンの闘技場で100勝したキャラクターのキャラクターシートが今もどこかにあると思います。

新版の「カザンの闘技場」の紹介というよりも思い出話になってしまいました。

良い冒険を!


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